ちょっ、ちょっと!!


吉井は私を置いて、どんどん校門の方へ、

自転車を引いて歩いて行ってしまった。




なんで?????


なんでこうなる........???



なんで私を........



校門を通り過ぎた吉井が立ち止まって、こっちを向いた。





「早く来い」





なっ!!


私と吉井の間にいる生徒達が一斉に私を見た。



超!恥ずかしいんですけど!!



しかとしたい。

でも、私のリュックが人質に!!




返してもらおうか!!!私のリュック!!




私はダッシュで吉井の元に行き、

前かごのリュックに手を伸ばした。




ガシッ




あれ。



思い切り手首を掴まれてる。



「おとなしく、ここのっけとけ」



なんでだよ........


なんでこんなことすんだよ........



もう、これ以上私の中に入り込んでくんなよ.........



「なんで私なんかに構うんだよ、ほっとけよ」



手首を掴まれたまま、下を向いて言ったら、


ゆっくりと吉井が私から手を離した。




「お前が悪い」