ピーンポーン 来客を知らせるチャイムが鳴り、インターホーンを見ると、遥斗の姿が映っていた。 「い、今行くね」 『お、おう!』 カバンを手にして玄関を開ける。 「おはよう」 鍵をかけて、軽く手を上げると、遥斗も同じように手を上げる。 駅まで向かう道。 なんか、本当に調子が狂うというか、 歩く時の距離でさえ、分からなくなる。 「あのさ」 「えっ?」 「今日、水族館に行こうと思ってる。すず、イルカショー見たいって前に言ってたから」 遥斗はそう言って、チラッとこちらを見る。