ズボラ女子が恋をした場合。




この、みんながちょっと浮かれているこの空気、昔から結構好きなんだよね。

人は多くて移動がしづらくてちょっと大変だけど、まぁそれも醍醐味の一つかな。



やきそば、イカ焼き、りんご飴を買って、
人の流れに乗りながら、花火が綺麗に見える場所へ移動する。




「てか、毎年のことだけど、やっぱ人多いね!」

わいわいがやがやしてると、
すぐ横に遥斗が居てもちょっと大きな声で話さないと聞こえないんだよね。



「お前、大丈夫か?浴衣なんて着たの久しぶりだろ」
「いつもみたいにうまく歩けないんだよねー」


遥斗が心配してくれてるのはちょっと意外…、いやでもなんだかんだ優しいからね。




「すず」
「ん?なにー?」


じゃがバター買い忘れたわって思いながら屋台を見てたら、

「手、貸せよ」

そっぽを向きながら遥斗はそう言った。



「え?なんで?」
「なっ、なんでって、はぐれたら面倒くさいだろ」
「あぁ、それもそっか」


そう言うと、遥斗は私の手を握ってきた。