―遥斗side―
「暑いな今日。ほら、サイダー」
花火大会。
拓哉と合流して、一緒に美咲とすずを待つ。
「おぉ、さんきゅ」
拓哉からサイダーを受け取り、ぐびっと一口飲む。
「聞いたか?今日、浴衣らしいよ」
「え?浴衣?」
「そう。美咲が清谷を誘って、美咲の母さんが着させるってさ」
浴衣…。
ちょうど目の前に、浴衣を着た二人組の女子が居た。
……すずの浴衣姿。
「ちゃんと、思ったこと言えよ」
「え?」
「素直になれなくて、思ってもないこと言うなよ?」
お前の悪い癖だからなって、そう言って、俺の背中をパシッと叩いた。
「いたっ!なんだよそれ」
「かわいいって思ったら、ちゃんと言えよってこーとっ!」
「…はっ…」
かわいいって…。
俺、別にすずのことかわいいって思ったこと……。


