「え、むしろすず知らなかったの?」
ミスター東の話を美咲にしたら、こんな言葉を返されてしまった。
「ちゃんと清き一票を入れてきた?」
「うん、入れてきた」
入れてきた、けど。
教室に戻る前、遥斗と投票会場である体育館に行った。
投票用紙に記入していた女子たちは遥斗の姿を見つけた途端、きゃーと声を上げ、そこからは囲い写真撮影の嵐。
ちなみに投票は一般の方も可能で、事前に実行員は撮影した写真と自己PRが体育館一面に張り出されてる。
気づいていたけど、やっぱり遥斗はめちゃくちゃ人気だ。
「このまま、ミスター東になったら、私なんか……」
「えっ!?」
なんで何も言わなかったのに、美咲ってばいつから心を読めるようになったの!?
「顔にそう書いてあったの!本当あんたって子は。もっと自信持ちなって」
私の頬を両手で挟んで、美咲はそう言った。
「ほんとほんと!遥斗は清谷しか見てないって」
料理を運び終えた拓哉がこちらへ来て、私にそう言った。


