「……そっか」
日向は少し寂しそうな顔をしたけど、
「木島くん、涼しそうな顔してる割に、意外とヤキモチ妬きだから」
そう言った。
「え?」
どういう意味?
俯いていた顔を上げると、日向の手がこちらに伸びてきて、私の頬に触れた。
「ちょっとしたいたずら」
とは言ったものの、特に何もしない日向に、私は頭上で?を浮かべていた。
「すず!」
「え?」
声がする方に視線を向けると、遥斗がこちらに走ってきて、私の手を掴み立ち上がらせると、自分の背後に隠した。
「ごめん、そんな怖い顔しないで、くず糸がついてたから取っただけ」
そう言って日向は笑った。
顔にくず糸って、つくもんなの?
「いやな奴じゃないのは分かってる。けど」
遥斗は一つため息をついて、
「今のはわざと過ぎ、俺が気づかないと思ったのか?」
日向に向かって、そんなことを言い出した。


