ズボラ女子が恋をした場合。



「見に行ってもいい?」

横を歩いてた日向はそう言って、私の顔を覗き込む。



本当に顔が整ってるなぁ……、って見惚れてる場合じゃなくて。


「う、うん」


恥ずかしいけど、まぁ、せっかくやるなら……って待てよ。

ふと今日の校門前の光景が目に浮かぶ。


日向うちの文化祭に来たら、またガールズが大変なことになりそう。
遥斗は?ヤキモチ妬いちゃわないかな……、嫌な思いしないかな。



「鈴菜ちゃん?」
「え?」

「何考えてるの?」
「いや、何もっ、ちょっとぼーっとしちゃった」


あははと笑ってごまかしていると、

「っ!」
いきなり手を優しく握られ、

「歩いてる時にぼーっとしてると危ないから、こうして手をつないでおく。拒否権はありません」

そう言って、いたずらっぽく笑う日向にどきっとした。



「あっ」
「えっ?」

「今、ドキッとした?」
「っ!」

な、いきなり何を言い出すの!?



「そうそう、その調子。そうして、もっとドキドキして」

私の手を握って、歩きながら、



「少しずつ、俺のこと、好きになったらいいよ」

こちらを見ずに、そう言った。