ズボラ女子が恋をした場合。




「……すず?」
「へっ!?」

こちらを覗き込む遥斗の顔が視界いっぱいに広がる。



「どうした?急に黙り込んで」

「なっ、なんでもないっ!」

なんだか遥斗の顔を見るのも恥ずかしくなってしまって、急いでその場から離れようと女子トイレに向かった。



心臓が音がうるさい。

なに、急に。


今までだって何も気にせずにしてたことなのに、急にこんな、こんなに恥ずかしく感じちゃうの!?



とりあえず個室に入って気持ちを落ち着かせよう。



「ふぅー……」


…遥斗は何も思わなかったのかな。

間接キス……だなんて、そんなことを気にする私って乙女かっての。



「えっ!?じゃぁどうすんの、このまま諦めるの?」
「いやー……、あんな顔で好きな子の話をされたら正直、諦めるしかないのかなって思うよ」


ドアを開ける音と共に話し声が聞こえて来た。
誰かがトイレに入って来たみたい。



恋バナしてるのかな、立ち聞きはよくないと思ってすぐに個室から出ようとしたけど、

「でもさ、体育祭とか文化祭で木島くんに告白しようとしてる子、いっぱいいるらしいじゃん」


……木島くん、って、遥斗のこと、だよね……?