「それから、何度か電車の中で姿を見かけた。
スマホをいじらずに、ぼーっと外の風景を眺めてる姿を見て、綺麗だなぁって」
特に、太陽の光を浴びて、
少し色が透けて見えるさらさらとした髪がとても綺麗だと思った。
「……いつからか、無意識に姿を探すようになった」
偶然見かけた日は、あぁラッキーだなぁなんて、
心の中でガッツポーズをしてた。
「どんな曲聞いてるんだろう。
どんな曲が好きなんだろう。
どんなものが好きなんだろう」
この子のこと、もっと知りたい。
「……どんな人が、好きなんだろう」
そう思う自分の気持ちをもう、
「名前も知らない子を、好きになってしまった」
否めないと思った。


