「……一番最初はラーメン屋さんだった」
「…え?」
「友達と学校帰りに寄ったラーメン屋さんで、珍しく女子高生が一人でラーメンを食べてた。
しかもめちゃくちゃ美味しそうに食べてて、その食べっぷりを見て、強面の店主はよほど嬉しかったのか、サービスだって言って味玉を器に乗せた」
ちょっとずるいなぁなんて思いながらその子を見てたら、
「そしたらすっごい嬉しそうに味玉を頬張る姿を見て、なんとなく、一緒にご飯を食べたら楽しそうだなって、思った気がする」
きちんと一人でもいただきます、
ごちそうさまでしたと言っていて、
少し上から目線に感じるかもしれないけど、
えらい子だなぁと思った。
「それである日、電車で姿を見かけた。あっ、あのラーメン屋さんの女の子だって思った。
赤ちゃんを抱っこしながらドアの近くで立っていたお母さんに笑顔で話しかけ、席を譲るところを見た。
赤ちゃんの手を握らせてもらって、嬉しそうにしてる姿を見て、笑顔が可愛くて、気を遣える優しい子なんだなぁって思った」
鈴菜ちゃんを見ると、驚きながらも、
しっかり俺の話を聞こうとしているのが分かった。


