そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】


それからイケメン弁護士の車で喫茶店に送ってもらったんだけど、車内では平島での思い出話しで盛り上がり、結局、どうして陸さんと付き合っちゃいけないのか聞きそびれた。


またもやイケメン弁護士に上手く誤魔化されたような気がしてならない。


陸さんのプライベートなことだから言えない……なんて言ってたけど、それも怪しいモノだ。


ホントに何かあるなら、コッソリ私にソレを言って別れるように仕向ければいいだけのこと。それを勿体ぶって言わないってことは、そもそも、そんな秘密などないのかもしれない。


単純な私はいつもイケメン弁護士にいい様に操られ丸め込まれてる。


キィ~ッ!!悔しいー!!


イラッとしながら喫茶店の扉を開け、気を静める為に厨房の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し一気飲みする。


そして、陸さんが退院するまでキャバクラを休んでチビちゃんの面倒を見てくれてるユミちゃんに帰ったことを報告し、自分の部屋に入ったとこであることを思い出した。


「あぁー!!ビックワールドに行くの忘れてた!」


でもな、こんな時間じゃ社長も帰って居ないだろうし、明日の朝にするか……




―――で、次の日の朝、陸さんにはビックワールドに顔を出してから病院に行くとラインして喫茶店を出る。


久しぶりに出社したが、相変わらず入口には段ボールが貼り付けてあり、ため息が出るほど貧乏臭い会社だ。大和商事とは大違い。


「あれぇ~鈴音ちゃんじゃない!ご無沙汰だねー」

「えぇ、本当にご無沙汰でした。社長がヤル気ない会社だから、もう潰れて無くなってるんじゃないかと心配してましたが、まだありましたね」


嫌味たっぷりにそう言ったのに、社長は「もぉ~鈴音ちゃんたら~」って、ヘラヘラ笑ってる。


冗談抜きで、この会社が潰れないのが不思議でしょーがない。