バスルームを出てリビングに戻るとイケメン弁護士がチビちゃんを抱き難しい顔をしていた。
「チビ、下痢気味ですね。今日は風呂はやめた方がいい」
「えっ、そうなんですか?」
イケメン弁護士に抱かれたチビちゃんに駆け寄り顔を覗き込むと、なんだかトロンとした目をして元気がない。
「どうしよう……」
「ボヤ騒ぎとかありましたからね……ストレスを感じて体調を壊したのかもしれない。少し様子を見て下痢が続くようなら病院に連れて行きましょう」
私がコクリと頷くと、ソファーに腰を下ろしたイケメン弁護士がチビちゃんの頭を撫でながら視線だけをこちらに向ける。
「陸には連絡したんですか?」
「あ、それは……まだ……」
「どうして?アイツ、鈴音さんにチビを押し付けてどこに行ってるんですか?」
「えっと~陸さんは大阪へ行ってるんです。チビちゃんを私に押し付けたワケじゃなくて……仕事で……」
ほとんど表情のない顔で私を見上げていたイケメン弁護士が、スーツのポケットからスマホを取り出しため息を付きながら片手で操作を始めた。
「仕事どころじゃないだろ?大事な時に居ないなんて、全く頼りにならないヤツだ」
陸さんに電話しようとしてるんだ……
「やめて下さい!陸さんに電話しないで!」
「えっ?」
イケメン弁護士の指の動きが止まり、少し驚いたような表情を見せる。
「今はまだ……私もチビちゃんも怪我とかなかったし、心配させるだけですから……」
私のその一言で彼の目付きが変わった。
「どうしてそんなに陸に気を使うんですか?」
私は事の成り行きを話し、陸さんが私の為に頑張ってくれてるんだと一生懸命訴えた。
でも……
「鈴音さんと陸を一緒に住まわせたのは失敗だったかもしれませんね……」



