そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】


暫くするとチビちゃんの泣き声が聞こえ陸さんが一階に下りてきた。


「あ、チビちゃんのミルク私が作ります」


陸さんと付き合うってことは、チビちゃんの面倒も見なきゃいけないんだよね。このまま順調に行けば陸さんと結婚なんて可能性もあるし、そうなったら私はチビちゃんのママになるワケだ。


今から育児の勉強もしないと……でも、やっぱり自分の子供も早く欲しいなぁ~チビちゃんは男の子だから女の子がいいかな~。


な~んて、妄想を膨らませながら作ったミルクを陸さんに渡すと……


「おい、なんだこの高温のミルクは?こんな熱いの飲ませたらチビがヤケドするぞ!」

「わわっ!ごめんなさい」


あぁ~やっちゃった……私、調子に乗ってちょっと浮かれてた。ミルクも満足に作れないなんて母親失格だ……


シュンとしてる私を見たユミちゃんが、やれやれって顔をしてさり気なく話題を変えてくれた。


「ねぇ、陸君、今日は営業どこ行くの?」

「んっ?今日か?今日は埼玉で最近店舗を増やしてるスーパーに行ってくるよ。そこはまだ大和商事と取引ないからな……気に入ってくれたら結構な数の予約が取れるだろうし……

で、明日は前の会社で取引が多かった大阪の方に営業に行こうと思ってる。でもなぁ~日帰りは難しいんだよな……

そこで問題はチビだ。明日は土曜で保育園は昼まで、日曜は休みだから保育園に預けられないし、そうなったらユミちゃん、悪いけどチビのこと頼めるか?」


するとユミちゃんが「あちゃ~」と言って顔を顰めた。


「ごめーん!明日からキャバクラのお客さんと一泊で京都に行くことになってるんだー」

「えっ……そうなのか?」

「……うん」

「じゃあ、無理だな」


陸さんが天井を見上げ困惑の表情を見せる。その姿を見て、私は決意したんだ。