「そんなのダメです!!」
思わず大声で叫んでしまい慌てて口を押さえる。しかし、時既に遅し……陸さんが上半身を起こし振り返った。
「な、なんでお前がここに居るんだ?」
「あ……どうも……」
あっさりバレちゃった……
「どうもじゃないだろ?これはどういうことだ?」
暗闇の中で陸さんの鋭い瞳が私を刺すように見つめている。
「こうでもしないと陸さんと話しが出来ないから……。私のこと、ずっと避けてたでしょ?」
「そんなこと……」
「いーえ!避けてました!私の前でワザとユミちゃんさんのこと誘ったりするし、それって私のことが嫌いってことですか?」
今まで胸の中で燻っていた彼への不信が溢れ出し、半泣きで彼を責め立てた。
「私がどんなに陸さんが好きか……好きな人に避けられるのがどんなに辛いことか……嫌いなら"パンドラの箱"なんて回りくどいこと言わないでハッキリそう言えばいいじゃないですか!」
すると陸さんが目を伏せボソッと言う。
「……嫌いなワケないだろ……」
「ウソ言わないで!嫌いじゃなきゃこんな酷いことしないでしょ?」
頬を伝う涙を拭うことも忘れ彼の膝を力無く何度も叩く。その腕を陸さんが掴んだ。
「……好きだから……お前が大切だから……避けてたんだ」
「えっ?」
「鈴音のことを想って必死で避けてたんだぞ……なのにお前は……」
あっ……
それは突然のキス……ファーストキス……
柔らかい陸さんの唇が角度を変え何度も触れる。この瞬間を、どんなに夢に見ていたか……
そのまま私の体をベットに倒した陸さんが真剣な顔で言う。
「何があっても、後悔しないか?」



