「あ、陸さん、おかえりなさい……」
「んっ?あぁ……」
素っ気ない返事をした陸さんが私の横を素通りして行く。そしてユミちゃんにコンビニでお弁当を買ってきたから夕飯はいらないと早々に二階に行こうとした。
「待って下さい!話しがあるんです」
焦って叫ぶ私のことは完全に無視。彼の視線はユミちゃんに向けられていた。
「今日はキャバクラ休みだろ?後で部屋へ来いよ」
陸さんはセフレのユミちゃんを誘ってる。私が陸さんのこと好きなのを知っててワザと言ってるんだ。
酷い。酷いよ……陸さん
胸が張り裂けそうな強い痛みを感じ、思わず泣きそうになる。
今までなら、二人がそういうことをしてても我慢出来た。でももう無理。陸さんが他の女の人を抱くなんて耐えられない。それがユミちゃんでも……
私はユミちゃんを見つめ断って欲しいと必死で目で訴えた。
なのにユミちゃんは……
「Ok~!!じゃあ、10時頃行くよ」
なんの迷いもなくそう答えたユミちゃんに愕然とした。
「分かった……それまで部屋で飲んでるよ……」
店を出て行く陸さんを引き止める言葉さえ出てこない。そのくらい私は動揺していたんだ。
なぜ?どうしてなの?
ユミちゃんにまで裏切られたような気がしてショックで涙が溢れ出す。
「鈴音っち、あのね……」
泣いている私の肩に手をまわそうとしたユミちゃんの手を強引に振り払い彼女をキッと睨み付ける。
「触らないで!!私が陸さんのこと好きなの知ってて、あんな約束するなんて……ユミちゃんさんは残酷な人です!」
けど、ユミちゃんは顔色一つ変えず落ち着き払って言ったんだ。
「もう~勘違いしないでよ~陸君の部屋に行くのはあたしじゃない。鈴音っちだよ」
「えっ……?私?」



