――――それから4日ほど経った日の夕方
あの"パンドラの箱"の一件以来、どうも陸さんに避けられているような気がしてならない。
朝はユミちゃんにチビちゃんを保育園に送ってもらってるようで、私が起きるともう彼の姿はないし、夜は喫茶店を休み自分の部屋に篭って出てこない。
私も夜は占いの予約が入っているからなぁ~
陸さんと会えるチャンスは、彼がチビちゃんのお迎えを終え帰って来る時だけ。ということで、喫茶店で陸さんの帰りを待つことにした。
「ふーん……陸君が鈴音っちのこと避けてるねぇ~」
「そーなんですよ!ちゃんと理由を言ってくれないからワケ分かんなくて……。あ、そうだ!ユミちゃんさんパンドラさんの箱って知ってますか?」
「パンドラさんの箱?パンドラの箱なら聞いたことあるけど……」
「あぁ!ソレです。ソレ!」
なるほど、"さん"を付けちゃダメなんだ。
「あたしも良く知らないけど、開けちゃいけない禁断の箱で、開けちゃうととんでもないことが起こる……みたいな?」
えぇっ?禁断の箱?
「とんでもないことって……なんでしょう?」
恐る恐る聞いてみると……
「さぁ~地球滅亡とかかな?」
ユミちゃんがケラケラ笑いながらサラッと言った。
全身から血の気が引いていく……
私と陸さんがエッチすることが地球レベルの問題だったとは……陸さんが"そういう運命ってことだ"と言った言葉の意味がなんとなくだけど、分かったような気がした。
パンドラの箱、恐るべし!
でも、そうなると私と陸さんは永遠に結ばれないことになる。そんなのイヤだ!けど、地球が滅亡しても困る。
究極の選択を迫られた私の心は大いに揺れ動く。すると……
―――カランカラン……



