「綾っ!!」 いつぶりにこんな大声を出したんだろ。 だけど、そんな大声も綾には届かない。 小さくなっていく綾の背中を俺は追わなかった。 綾を追ってもまた泣かせるだけなんじゃないか? これを機会に綾が幸せになるために、追わない方が良いんじゃないか? そんな感情ばかりが俺の行き先を阻む。