「幸せそうな顔して寝ちゃって…

昼間は死人みたいな顔してたくせに…」

そう言って私の頬を突いた課長。


「・・ん・・しゅう・・と」

「・・・」

私は一体どんな夢を見ているのか?

眠り続ける私の寝顔を、課長はしばらく見つめていた。


…そっと私の手を包み込んだ温かな手。

「綾瀬、秀人とお前は、兄妹だろ?」

「・・・」

その問いに応えはない。


「なぜ、名字が違うのか、オレには意味が分からない。

なぁ、応えてくれよ、綾瀬」

「・・・」

やはり、その問いにも、応えはない。


しばらく私を見ていたが、課長は、それ以上何も言わず、

部屋を出ていった。

鍵をかけ、ポストに鍵を入れて・・・