「うん、わかった、明後日までは、食材持ちそうだし。

この子の物を、一緒に選べたら、私も嬉しい」


・・・秀人の優しさも、愛も、すべてが嬉しく愛おしい。


「よし、決まり…じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃい」

私の頬に軽くキスをした秀人は、クルリと向きを変え、ドアを開けた。


「「・・・・・」」

…ドアを開けた瞬間、私も秀人も驚いた。


「私のとりこし苦労でしたね」

「…西島、お前」

秀人の言葉に、秘書の西島さんがニコッと微笑んだ。


「おはようございます西島さん」

「おはようございます、愛海さん。

まさか、社長が会社に行かないとか言い出さないかと

心配になって、お迎えに来ました」


「・・・プ」

「・・・」

西島さんの言葉通り、行き渋っていた秀人。

秀人の事をよく知ってるな、と、そう思うと可笑しくて、

吹き出してしまった。


秀人は不機嫌そうな顔をしていた。