「・・・秀人・・・さん」 彼女のナイフを持った手がガタガタと震えていた。 「愛海を傷つけるなんて許さない・・・ 殺すならオレを殺せ・・・そうしたら、もう、 何も、気にすることは無くなるだろう」 そう言って優しく微笑んだのは、秀人だった。 「秀人、…手が」 ゆっくりと目を開けた私は、目の前の光景に、 驚愕する。 私の前に立ち塞がった秀人が、 彼女のナイフを握りしめていた。 ポトポトと流れた血は、秀人の手から流れた物だった。