【新】俺様社長の溺愛

…それから、度々同じことが、起こった。

でも、いつも不意に起こる事なので、手も足も出ない。

話しをするなんて、出来っこなかった。


そんな事が起こる度に、安西課長に産休に入れと、

怒鳴られていたけど、私は最後まで仕事に励んだ。


・・・そしていよいよ、今日で仕事も終わり、ようやく産休に入る。


歩、安西課長、社長秘書の西島さんにまで、助けてもらいながら、

無事にこの日を迎えられた。


・・・不安だった職場の反応も、とても良く、祝福してくれた。


「やっと肩の荷が下りる」

そう言って溜息をついた安西課長。

「わがまま言ってすみませんでした」

「全くだ」


・・・そんな事を言いながらでも、私を守ってくれた事に、

感謝してもしきれないくらいだった。


すべての業務を終え、デスクの片づけをしていると、

…いつの間に置かれていたのか、メモが一枚。


『午後7時、屋上に来て』

たったそれだけのメモ。でもきっとこれは犯人からだ。

そう思った私は、誰にもこの事を告げることなく、

所定の場所に行く事を決めた。