【新】俺様社長の溺愛

「・・・チッ」

…舌打ちする声が聞こえてきた。


「大丈夫か?」

「・・・・」

その声に、我に返る。

…私をすんでで助けてくれた。


「いきなり落ちてくるから、驚いた」

そう言って溜息をついたのは、


「・・・安西課長」

「おいおい、大事な体だろ?エレベーターを使えよ」

「・・・ありがとうございます」

私の言葉に溜め息をつき、ニコッと微笑んだ安西課長。


「階段、踏み外したのか?」

「…違うんです、誰かが、私を押して」

「・・・?!」

私の言葉に、安西課長が目の色を変えた。


「・・・どうかしましたか?」

「…綾瀬」

「・・・はい?」

「お前、早いけど、産休に入れ」

「・・・・」

いつもと全然違う安西課長の雰囲気に息を呑んだ。