【新】俺様社長の溺愛

「あ、もうこんな時間。仕事しなきゃね」

掛け時計に目をやった歩がパタンとロッカーを閉めた。


「…お腹が目立ちだしたら、他の社員にもばれますよね」

そう言ってお腹を擦る。


「そうね。でも、別にやましいことしてるんじゃないし、

気づかれたら話せばいいし、気づかれなかったら、産休に

入る前に言えばいい…もっと、軽く考えなさいよ。

うちの部署って、子育て中の女子社員、意外と多いんだから」


「そうなんですか?知らなかった」

「女子社員みんな、頑張り屋だからね・・・

ほら、急ぐよ」

「はい…私も頑張らなきゃ」

「うん、でも、程々にね」


そう言って笑い合い、更衣室を出ていく。

・・・そんな私たちを、

どこからか睨む人物がいた。

…私も歩も、この事には全く気付いていない。


…もうすぐ、その人物が、私に忍び寄る。


…それも恐ろしい方法で。