【新】俺様社長の溺愛

「もういい・・・もういいです」

「・・・」


「私の負けみたいですね…諦めます。

いつまでも引きずったって、貴方と私は交わることはない。

・・・愛海さん」

突然自分の名を呼ばれ、愛海の体が委縮する。


そんな愛海を落ち着かせるように、愛海を強く抱きしめた。


「私は愛海さんになりたかった・・・」

「・・・」

その言葉を最後に、神村順子は出ていった。


ドアが閉まる音がして、オレは愛海をしっかりと抱きしめ直した。


「愛海」


「…私、この気持ち、捨てなくていいの?」

「当たり前だ、捨てられたら困る」


「もう誰も、私たちに反対する人はいないの?」

「少々てこずったが、すべて理解させた。親父やおふくろも、

納得してくれたよ」

そう言って、少し体を起こしたオレは、愛海の顔を両手でつかんだ。

…愛海が泣いていた。