「おはよ、莉奈♪」


「………。」


「ん?どうたの?」


あたしは、ボーっとしてた。
やっぱり、思い出す。
あの、見た目は怖いけど、優しい先輩が頭から離れない。


「あ、ごめんごめん」


「どうしたの、莉奈?なんかあった?」


わたしは、親友の麻由香に言うか、言わないか迷った。


でも、まだ好きかどうかはっきりしない。


結局、わたしは言わなかった。


「ううん。大丈夫!」


「そっか、よかった」


「あ、莉奈。今日、放課後、先生に呼び出されちゃって、一緒に帰れそうにないんだ。先に帰ってて!」


「あ、うん。わかった」


『キーンコーンカーンコーン』


チャイムが鳴った。
はぁ、今日も勉強かぁ…。


でも、今日はあたしの大好きな体育がある。


まぁ、高校生になったんだし、他の授業も頑張らなきゃなぁ。



そう思いながら、なんとか寝ずに全部の授業を終えた。


『キーンコーンカーンコーン』


「莉奈、ごめんね。また明日ね~♪」


「うん、また明日っ」