「ねーねー莉奈ー、今日ってさ、四時間で授業終わるんでしょ?」


「たしか、そうだったよ~な~」


「近くのゲーセン行かない?」


「麻由香、あんた彼氏とのデートは?」


麻由香には同じ学校の2年生に
橋本 信吾(はしもと しんご)
という野球部の彼氏がいる。


「あー信吾ねー、野球部のみんなで試合のミーティングのしなきゃいけなくなったって…」


「あー、まぢかー。」


「うーん。だから、この寂しい私と遊んでくださいよ、莉奈先輩っっ♪」


「ま、別にいーけど」


内心、すごく嬉しい。
麻由香は、あたしにとって本当に大切な友達。
でも、あたしはその気持ちをうまく伝えきれなくて、そういうのが不器用みたいだ。




……麻由香、いつもありがとね。




そんなことを思いながら
ゲーセンに歩いて行った。