『……やっ!……あ…絢っ!!』
んっ。眩しい。
『んっ。まぶ…しい。』
『絢っ!』
私は目を覚ましたと同時に息苦しさを覚えた。
うっすら目を開けると裕二の顔のどアップがそこにあった。
『絢!なんで追いかけてきたんだよ。』
『裕二が逃げるから。』
『お前!また車に引かれてたらどうするつもりだったんだ!お前死ぬかもしれないんだぞ?』
『裕二がいない毎日なんて過ごすくらいなら死んだ方がマシ。』
『お前なぁ….!』
『だって!さみしいでしょ?』
『死んだらもう何にもできないじゃないか!』
『……ひっ。…だっ…てぇっ!……やっと…やっと……ちゃんと…裕二を思い出そうって…そう決めたのに…』
『もういい!今回は俺がいたからよかったものの!俺がいなかったらまた引かれるところだったんだぞ?』
『……ごめ…なさい。』
涙が止まらない。
それを見た裕二はいきなり抱きしめてくれた。
『よかった。絢が…絢が生きてて。』
『ごめ…なさい。』
『俺、クラクションが聞こえたときまたあん時の記憶がフラッシュバックしてもしかしたらと思って見てみたら絢だったから、俺は走って交差点に行った。
車はギリギリで止まってたけど絢が倒れてたからまた引かれたのかと思って。
すっげぇ自分を責めた。
でも無傷だしちゃんと呼吸もしてるからよかった。と思って。
本当に絢が倒れてたのみたとき心臓が止まるかと思ったんだぞ!』
『ごめんなさい。』
『まぁよかった。絢が無事で。』
『裕二。どうしてあんなこと言ったの?』
『それは絢が失った記憶が辛いものだから。』
『そっか。でも大丈夫!裕二に別れを告げられるよりは!』
『ごめんな。辛かったよな?』
私は首を横に振った。
『いいよ、もう。
だってお互い様じゃない!』
『だな!』
『うん!』
コンコンッ。
『あっどうぞ!』
『夜ご飯を持ってきました。』
看護師さんは手際良くお盆を置いて部屋を出て行った。
『絢。看護師さんたちには絢がそとに出たことは言ってないから。』
『何から何までありがと!』
『あのさ。俺らもう一回付き合わないか?』
『えっ?いいの?』
『俺は絢が良ければ。』
『ん。付き合おう!!』
『じゃあこれ。付き合った記念みたいなもん!』
裕二はストラップをくれた。
クマのぬいぐるみがついたストラップ。
前にもあったような気もするけど。
まぁいっか!
『ありがと。またよろしくね?』
『こちらこそよろしくな!』

