怖い。

でもなんか安心できる。

そんな気がする。

コンコンッ。

『失礼します。あのちょっとお話が。』

『あ、はい。じゃあまた後で。』

『じゃな!』

私は走って看護師さんのあとを着いていった。

『先生、どうかしたんですか?』

『えっと…もう、傷も治ってるし、明後日には退院しても大丈夫だから。』

『分かりました。』

はぁ。やだな!あの男の子と同じクラスだしな。

私はゆっくりゆっくり病室に戻った。

ガラガラッ。

あれ?男の子寝てる?

私は男の子の顔を覗き込んだ。

ーうわっかっこいい!ー

小さな顔につり目がちな目に長い睫毛にすっと通った鼻。形の整った唇。

全てが完璧だった。

『んっ。』

やばい。起きちゃった!

私は急いでベットに入って寝たふりをした。

『あれ?いつの間に戻ってきたんだ?』

『……』

『なんだ。寝てるのか。なんか前にもこんな事があったような。』

そうなんだ。

私は気づかれないようにうっすら目を開けた。

男の子はとても懐かしそうな顔をしながら笑っていた。

私は目を閉じた。

ぽふっぽふっ。

あれ?頭撫でてる?

なんか前にもあった気がする。

あれ?でも、私男の子知らないもん。

とっても懐かしい。

私はだんだんと夢の世界へと誘われて行った。