『あなたが私の彼氏?』

『いや、ちょっと違うかな。』

『え?』

『元はと言えば……


絢、あんたが裕二を振ったのよ。』

『私が…?何のために…?』

『わからない。絢がいきなり別れてと言ったって裕二が言ってた。』

『何で?』

『悠斗に利用されたんじゃないのか?』

『ゆ…うと…?』

ガタガタと体が震える。

『絢?どうしたの?』

『かれ…ん。私、私悠斗くんに裏切られた。』

『何があったんだ。』

『私ね、美咲ちゃんの幸せのためにあなたを裏切った。
ずっとずっと美咲ちゃんはあなたのことが好きだった。
私はその思いを穢してしまった。
私はあなたを横取りしたんだ。ってだから美咲ちゃんの幸せのためにあなたと別れた。』

『絢。それでお前に何の得があった?』

『得?そんなの…『お前はもっとわがままを言ってもいいんじゃないのか!?
なんでそうやっていつも自分1人で解決しようとするんだ!?』

『そうだよ!絢!!』

『私は…みんなからいじめられた。
何度も何度も蹴られた。
やがて痛みを感じなくなった。
始まったら終わるまでただひたすら泣かずにぼぉっとしていた。
それまでは良かった。

でも、やがて悠斗くんにもいじめられるようになった。
蹴られて殴られて毎日毎日立てなくなるまで暴力振るわれて。
やがて捨てられた。』

『絢!お前は馬鹿か!なんですぐに助けてって言わない。』

『わかんないよ。私にだってあなたを振った理由も助けてって言わなかった理由も。』

『絢…』

『……ひっ。

……わ……かんな……いよ。』

私は泣いていた。

涙が後から後から溢れてくる。

次の瞬間、後ろに引っ張られる感覚がした後からだが後ろに傾きベッドに倒れた。

『…っ!絢!!』

『大丈夫?!絢!!』

『かれ…ん。ごめ…なさい。』

次の瞬間私は意識を手放した。