そして結城さんが玄関に着いたのか立ち止まった。
『ありがとう…、貴方のおかげでこれ以上罪を重ねるコトなく終われます。』
『はい、これ以上罪が増えなくて良かったです。』
と私が言うと結城さんは照れたように頭をかいた。
そして、さようならと言ってゆっくりと玄関の扉を開けた。
その瞬間…、
パァンッッと言う乾いた銃声の音がして、結城さんのものと思える血が周りに飛び散った。
そして結城さんが倒れて行く。
バタンッ…。
私は何が起こったのか分からなかった。
私はようやく理解して結城さんに近づいた。
『結城さんっ!!しっかりしてください!』
私は咄嗟に結城さんを抱きかかえた。
抱きかかえた時にヌルッとした感触がした。
私はほぼ全身に結城さんの血が付いた。
結城さんの血は止まることなく流れ、私達の周りに広がっていく…。
『結城さんっ!!死なないでぇっ!!!
まだしなきゃいけないことがあるでしょっ!!』
『……あ…や…さん……、に…げろ…。』
『嫌っ!!私には出来ないっ!!結城さんっ!!』
『お…れと……いた…ら、…あ……やさ…ん……まで……ころ…さ…れ……る。』
『でもっ!!このままじゃ結城さんが……、
死んじゃうよぉっ!』
『お…れ……は…、だい…じょ……う…ぶだ……か…ら。』
『大丈夫な訳ない…。』
パァンッ…。
『あ…やさ…ん!!に……げ……ろ…。』
結城さんは腕の中でぐったりしたまま動かなくなった。

