結城さんが近づいてくる。
私はもうとにかく時間稼ぎになればと思って口を開いた。
『結城さんっ!これ以上罪を増やさないで下さい。』
『今更命乞いか?無駄だよ。』
『ダメです!これじゃ美咲ちゃんの計画どうりになっちゃう。』
『計画?』
『もし結城さんが私を殺しても、結城さんが悪者になるだけです。』
『は…?』
『美咲ちゃんは罪には問われません。』
『えっ…。』
『結城さんは美咲ちゃんの操り人形になっちゃう。』
『操り…人形?』
『それじゃ…、誰も幸せになれないよ…。』
『俺は…、間違っていたのか?』
『それは、自分次第かな。』
『自分次第…。』
『きっと、結城さんは悪い人じゃないでしょ?』
『やり直せるかな?』
『大丈夫ですよっ!きっと…。』
『ありがとう。』
『いーの。』
『美咲と話をして来ます。』
『私も玄関まで行きます。』
私達は玄関へ向かっていた。

