好きになっちゃダメですか?




結城さんは私の首元に包丁を突きつけてくる。

『あははっ、この快感が…、忘れられねぇんだよな…。』

結城さんはどんどん包丁を首元に近づけてくる。

私は怖すぎて声すら出ない。

一瞬だけ私の腕を掴んでいる結城さんの左手の力が弱まった。

私はその瞬間、結城さんの手を振り切って部屋を飛び出した。

結城さんはイラついているのか扉をドンッと蹴った音が聞こえた。

私はとにかく走った。

逃げ切れるはずがないとは思ったけど、ちょっとでも、時間稼ぎになればとそう思った。

怖いよ…、裕二。

私…、信じてるから…。