ついにこのクローゼットに1番近くで扉を激しく閉じる音がした。
その瞬間私は壁にぶつかってドンッと言う音を出してしまった。
そしてしばらく沈黙が流れ、結城さんが狂ったような笑い声が聞こえた。
私はもう、ダメだ…。と確信した。
でも、諦めたく無かった。
だから私はクローゼットから飛び出した。
幸い結城さんは笑い転げていて、私には気づいていない。
私は逃げようと走り出そうとした。
でも、出来なかった…。
結城さんに気づかれて腕を掴まれてしまったから。
『おいおい、また逃げる気かよ。』
結城さんの右手には鋭く光る包丁がまだ握られている。
『いやあぁっ!離してぇっ!』
でも、結城さんの力に勝てるはずなくて…。
私は壁に押し付けられた。

