好きになっちゃダメですか?




コツッコツッ…。

また聞こえて来た。

今何時?

コツッコツッ…。

足音が死者の迎えのような気がして震えてくる。

裕二ぃっ!

助けてぇっ!

怖いよぉっ!

『ちっ、あいつ何処に行きやがったんだよっ!』

結城さんが低い低い声で呟いた。

私はそっと自分で自分を抱きしめた。


大丈夫…、だよね?

きっと裕二が助けてくれるよね?

神様……、まだ私を殺さないで。

まだ私から裕二を取らないで!