好きになっちゃダメですか?




『絢、ここにいたのか。』

『うん。』

『落ちるぞ。』

『大丈夫だって。』

私は立ち上がろうとした。

でも、足を滑らした。

バランスが崩れて身体が重力に習って落ちていく…。

次の瞬間右腕に強烈な痛みが走った。

思わず顔を歪ませた。

私は誰かに抱きしめられていた。

『全く…、言わんこっちゃない。』

『ごめん。』

『気をつけろよ?怪我してないか?』

『うん、私は大丈夫。裕二こそ大丈夫?』

『あー、腕ちょっと擦りむいた。』

『ちょっと待って。』

『あっ、別にいーよ。』

『ダメ!私のせいなんだから手当ぐらいさせて。』

『わかった。』

私は絆創膏を取り出し、腕の怪我に貼った。

『これでよし、じゃあ戻ろ。』

『ああ。』

そして私達は屋上を後にした。