好きになっちゃダメですか?




『悠斗っ!絢はどこだ!!』

『あそこだよ。』

あれが絢?

バリバリ外国人じゃん!

ハニーブラウンの神にエメラルドグリーンの瞳。

でも、顔はバリバリ絢だった。

『あれが絢か?』

『あの顔…、絢そっくりじゃねぇか。』

『でも、外国人じゃね?』

『は?見つからないために変装したんじゃねぇのか?』

『かもな。』

『あれ?絢は?』

『あっ!見失った。』

『あのっ、どうかしたんですか?』

『えっ?』

『絢?』

『えっ?絢って誰?』

『は?あんた絢じゃねぇの?』

『私は東雲 愛(しののめ あい)。』

『東雲?おい!裕二。』

『お前、兄弟はいるか?』

『いるよぉ、双子の妹が。

まだ見たことないけど。

物心ついたときにはもういなかったの。

まぁ正確に言えば、私が親戚に引き取られて絢は本当の両親に育てられたの。』

『妹の名前は?』

『東雲 絢。』

東雲 絢…。

『俺は絢の…彼氏だ。』

『うそっ。彼氏?』

『ああ。絢が行方不明なんだ。』

『あのさぁ、私も一緒に探すからさ絢に合わせてよ!』

『は?いいけど?なぁ裕二。』

『ああ、よろしく。』

『私は愛って読んで!』

『俺のことは悠斗でいい。』

『俺は裕二でいい。』

『悠斗と裕二ってイケメンだよね。』

『『んなことねぇよ。』』

『しかも息ピッタリ。』

『お前は絢にそっくりだよ。』

『まぁ、双子だし。』

『つかさー何で愛は外国人みたいな髪と目にしてるんだ?』

『私さぁ、実は私今逃げてるの。』

『あっ!お前まさか!爽太の婚約者か?』

『せーかい!』

『あいつ待ってたぞ?』

『でもさぁ、多分私じゃだめなんだよねぇ。』

『は?』

『私よりさ、可愛い人もスタイルがいい人もたくさんいるのに、爽太が私がいいってすりよってくるからみんなに白い目で見られて怖かった。』

『本当に絢にそっくりだ。』

『え?』

『絢も同じ事を言っていた。』

『本当に?』

『でも俺が絢に言ったんだ。

いや1番言いたかったのは俺が好きになったのは他の誰でもなく絢だよってな。』

『そうなんだ。』

『さぁ。行くぞ。』

『ちょっと待って!髪染め直してくる!』

『じゃあ俺らは外で待ってる。』

『わかった。』

俺らは1時間ほど待った。

すると出てきた愛の姿はまさしく絢のようだった。