好きになっちゃダメですか?

碧side


プルルルルルッ

プルルルルルッ

『もしもし?』

『もしもし!!絢は居るか!?』

『はぁ…。自分の名前ぐらい言ったらどうですか。』

『うるせぇ!!それより絢は居るか!!』

うぅ!キンキンうるさいな。

声でけぇよ。

『絢さん?居ませんけど…。』

『くそっ!どこに行ったんだよ!?』

『絢さんがどうかしたんですか?』

『なんでもねぇよ!じゃあな』

はぁ…。本当に自分勝手ですね。

絢さんが可哀想ですよ。

まぁとりあえず話を聞いて見ましょう。

『あのぉ…。』

『あっ!絢さん!裕二から電話がありましたよ。』

『そうですか。』

『じゃあ今日はもうお休み下さい。』

『あのっ!花園さんとお話が…』

『また明日さっきの電話のこともあわせてお話しましょう。』

『はい。』

『では。』

『ありがとうごさいました。』

『いえいえ。』

全く、こんなにも素直な子が裕二の彼氏なんて絢さんが可哀想だ。

僕はゆっくりと絢さんの部屋を出て爽太さんの部屋に行った。

『碧。何か分かったか?』

『はい。絢さんはかなり絶望しておられるようです。』

『なぜそういえる。』

『笑顔がなかったからです。』

『笑顔?』

『はい、あの私達に見せてくれた眩しい笑顔がなかったからです。それに瞳に光がありませんでした。』

『そうか…。』

『絢さんの部屋に行ってみましょう。』

『ああ。もし起きていたら話を聞かせてもらおう。』

『かしこまりました。』

『行こうか。』

『はい。』

トントン。

『寝ておられるのでしょうか?』

『碧、窓を開けたか?』

『いいえ。私は窓は開けておりません。』

『じゃあ、起きているでしょう。』

『はい。』

ガチャっ。

爽太さんの言うとうり絢さんは起きていた。