裕二side


俺は絢を起こさないようにゆっくりゆっくり家に帰っていた。

絢は静かに寝言一つ言わず寝ていた。

でもしばらくすると絢はまた泣き出しごめんね…。ゆう…じ。と寝言?を言っていた。

俺はどうすればいいんだろう…。そう思った。

絢。

お前の中では俺は何なんだ?

本当に今でも彼氏なのか?

それとも嫌いな人なのか?

どれが本当のお前なんだ?

俺を突き放すお前が本当か?

それとも俺を思って涙を流すお前が本当か?

きっと絢の目にはあの俺と美咲が裸で寝ている光景が焼き付いているだろう。

それをどうやって消せばいい?

どうやったらまた笑ってくれる?

多分、今絢が俺に死ねと言ったら俺は本当に死ぬかもしれない。

絢の願いは何なんだ…。

俺はずっと悩みながら家へと帰った。