絢side

あははっ。

裕二の傷ついた顔。

ニセモノの涙なのに。

だって本物がわかんいんだもん。

裕二は飲み物を買いに行った。

美咲ちゃんは裕二がいなくなると急に私の腕を引っ張り海へと引き摺り込んだ。

私は苦しくて何度ももがいた。

でも美咲ちゃんは私を嘲笑いながら見ている。

私はどんどん沖に流されて行った。

すると裕二が戻ってきた。

意識が朦朧とする。

美咲ちゃんはまるで私が自分で入ったかのように言ったのだろうけど、裕二は信じていないみたいで美咲ちゃんを突き飛ばし私の方へ泳いできた。

そして、意識が朦朧とする私をギュッと抱きしめてから、浜辺に戻ろうとした。

でも、運悪く高波が私達を襲った。

私は苦しくて苦しくて涙が出てきた。

私は思った。

ああ、こーゆーのが本物の涙か…と。

私はゲボッっと空気を吐き完全に意識が途絶えた。