裕二side


絢。絢。絢。

目を閉じたら笑った君がいるよ。

もうあれから今日で3年だよ?

ずっと覚えてた。

あとちょっとなのか?

それともあと10年なのか?

俺は今になってやっと分かったよ。

絢が美咲ちゃんと幸せになってねって儚く笑っていた君の想いが。

バカだよな。

俺はもうどうでも良くなって、美咲を抱いた。

何度も何度も…絢を忘れるまで…

俺は美咲と眠った。

だから気づかなかったんだ。

加恋から絢が帰ってきたよとメールが来ていたこと、そして加恋から絢に俺の家の鍵をわたすね?とまたもう一件メールがきていたきこと。

そして、絢が玄関の鍵を開け、中に入っていたこと、そして俺と美咲が寝ていた寝室に来ていたこと。

俺はドサッっと荷物が落ちたような音がしたから目が覚めた。

すると寝室のドアの所に絢が立っていた。

絢は俺が起き上がり絢…。と呼ぶとハッと我に返ったように踵を返して出て行ってしまった。

バタンッッ。

美咲は絢が出て行った扉の音で目が覚めたようだ。

俺は最低なことをしてしまった。

大切な人を…絢を傷つけてしまった。

メールが来ていた。

加恋からだった。

昨日、ちょうど3年だったんだよな…。