『ーーやっ。』
あっ…私の大好きな声だ。
私はゆっくりと目を開けた。
あっ…私の大好きな人だ。
『絢?』
私は泣いていた。
『ごめんね…。
またさよならになっちゃうよ…。』
『は?』
『ごめんね…。
私があそこから解放されるにはアメリカ留学しなきゃいけなかったの。』
『えっ?』
『あのね…。美咲ちゃんにはどうしても私が邪魔みたい。』
私は苦笑いしながら言った。
『ごめんね…。
だから美咲ちゃんと…幸せになって。』
私は泣きながらそう言った。
すると裕二は何も言わずに立ち上がり、服を着替えろと私に言い、外に出かけた。
裕二は大股で歩きながら銀行へと行った。
そしてお金をおろし、すぐ近くのジュエリー店へと入った。
私は慌てながら裕二にどうしたのっ。って言っていたら裕二がペアリングを渡してきた。
小さなピンクの宝石が入ったプラチナのリング。
私は値段を見た。
すると桁外れに高かった。
『裕二!どうしたの!』
『俺は…俺は待ってるぞ!
いつまでも絢が帰ってくるのを!!』
『えっ?』
『何が美咲ちゃんと幸せになってだ!?俺の想いを踏みにじるのかよっ!』
『別にそんなつもりじゃ…』
『とにかく俺は待ってるから。』
『どう…して?
私とより美咲ちゃんとのほうが絶対に幸せになれるのに…』
『幸せになんて美咲とじゃなれない。』
『え?』
『俺は絢が好きだから。』

