んっ。
もう朝か…
今日で…いや、正確にはこれで私は自由になれる。
大丈夫。
絶対に大丈夫。
『絢様、時間です。』
『はい。』
やっと裕二に逢える!
でも明後日には私は飛行機の中。
ふははっ。
ちゃんと幸せになってよ!
私が身を引くんだから。
私は遠くを見た。
裕二が見えた。
かなり遠いけど裕二だ…。
私は走った。
何度もこけそうになったけど走った。
裕二も私と同じように走ってきた。
『絢っ!』
『裕二っ!』
私達はギュッっと抱きしめあった。
『あのね…今日と明日は裕二と離れたくないの。』
『うん。わかった。』
私は碧さんや花園さんたちに見守られながらゆっくりと立ち去った。
私は裕二の家に行った。
私はその日はずっと家の中にいた。
そっか。明日で最後だよね。
明日でこの家とさよならかもしれない。
ここはいつでも暖かかった。
私はその日は眠った。

