絢side


あれ？碧さん電話かな？

『あのっ。碧さん電話…鳴ってますよ？』

『ああっ。大丈夫ですよ。』

『出てください。お願いします。』

『…分かりました。』

『ありがとう。』

『……はい。
っつか裕二か！？』

えっ？裕二！？

私は過剰に裕二に反応してしまう。

『元気か？
えっ？絢？
絢って背が小さくて笑顔が可愛い癒し系の人？
えっと聞いてみるわ。』

『えっと…裕二って…。』

『あなた様は東雲絢ですよね？』

『はい。』

『あなた様の彼氏は椋本裕二ですか？』

『はい、そうですけど…』

『えっとですね…実はこの電話弟からなんですよね…』

『えっ…。まさか…』

『そうです。私は裕二の実の兄です。』

そっかだから裕二にそっくりだったんだ…。

『やっぱり…』

『えっ？』

『やっぱり！裕二にそっくりだから！』

『まさか絢様の彼氏が私の実の弟だったなんて…』

『あははっ。』

『それより、裕二が絢様と話がしたいみたいです。』

『えっ…。』

ヤバイ！絶対に怒られる…。

どうしよう…。

私は出ないわけにもいかず渋々電話に出た。

『はい。絢ですけど…『絢ですけど…じゃねーよ！！！全く何でいきなりいなくなるんだよ！！心配したじゃねぇか！！』

私はびっくりした。

本当に探してくれてるんだって。

本気で叱ってくれるんだって。

『裕二…。ごめんっなさい…。』

『絢…みんな心配してるから…早く帰ってこい…。』

『出来ないの…。』

『えっ？』

『だって…足枷がついてるんだもの…』

『は？足枷？』

『悠斗くんがここに連れてきたの…』

『悠斗が？……ちっ。始末ってそーゆーことか…』

『裕二…。美咲ちゃんと幸せになって…』

私はそう言って碧さんに電話を返した。

碧さんはここの場所を教えて電話をきった。