好きになっちゃダメですか?

絢side


裕二…怒ってたのかな?

逢いたいけど逢いたくないよ…。

だって気まずいし…話しかけても無視されたら傷つくし…

私は最悪なことを考えてしまってとても怖くなって不安がよぎった。

でもその不安はすぐに粉々に砕けるのだった。

私はゆっくりと家を出て、ゆっくりと学校まで歩いて絶対に遅刻だと言う時間に学校に着いた。

私はゆっくりと校舎に入りゆっくりと靴を履き替えゆっくり教室に行こうとしたその瞬間腕を掴まれものすごい力で引っ張られながら空き教室へと連れて行かれた。

私はずっと俯いているため、相手の顔を見ていないからもしかしたら悠斗くんかもしれない…と考えた。

そしたら何故か体が震えてきた。

相手はすごく動揺していたけど、すぐに抱き寄せてくれた。

ーーあっ悠斗くんじゃない…

この匂いってもしかして……裕二?ーー


あり得ないよね。だって裕二は私のこと嫌いだもん。

もうどうでもいいんだもん。

こんなことしてくれるはずないよ。

でも…私他にこの匂いの人知らない。

私はゆっくりと顔をあげた。

すると目の前には裕二の顔があった。

私は思わず泣いてしまった。

裕二は優しく私の涙を拭いてくれる。

『っ!…どうしてっ!……どうして私のこと…嫌いなのっに!!…どうでもいいって思ってるくせにっ!……どうして優しくするのっ!!』

『絢……。お前は何か勘違いをしている。』

『勘っ…違い?』

『お前は俺がお前のことが嫌いで、お前のことなんかどうでもいいってそう思ってるんだって言ってるんだろ?』

『そうっ……だよ。』

『お前は馬鹿か?俺がお前のことを嫌いになれるはずないだろ?俺はお前にベタ惚れなのに…俺だって心配なんだよっ!

俺が目を離した隙に絢を誰かに取られちゃうんじゃないかとか、いつか俺から離れて行くんじゃないかとかそーゆーふうに心配になんだよっ』

裕二…そんな風に思っていてくれたんだ…。

『私だっていつか美咲ちゃんに取られちゃうんじゃないかって怖かった。』

そう、私はずっとずっと怖かったんだ…