ガラガラッ。
あっ、帰ってきたかも。
私は病室の出入り口の前まで行こうとしたけど…それは出来なかった。
だって病室の出入り口のところにいたのは……美咲ちゃんと悠斗くんだったから。
『絢…?どうした…の…。』
私は加恋の方へ目線を向けた。
加恋は顔を歪ませながら私の元へと走ってきた。
『どうしてあんた達が来るのよ。』
『あれぇ?悠斗をボコボコにしたって人わぁ?』
『くそっ。どこに行ったんだよ!』
そう言いながら悠斗くんは私の胸ぐらを掴んできた。
『やめてっっ。』
私は悠斗くんの手を振り払った。
『絢…。どうしよう…。
裕二達のところにも行けないし…』
『ねぇ?聞いてるぅ?悠斗をボコボコにしたって人ぉ、どこにいるのぉ?』
『知らないっ。』
『はぁ?知らねぇ訳ねぇだろーが。』
『知らないんだってば!!』
『あぁん?お前らあいつを庇うんか?』
『当たり前だよっ!敦兄は大切な幼馴染なんだもんっ!!』
『幼馴染ぃ?笑えるぅ。だからなんなわけぇ?』
『おい、殴るぞ』
『嫌だ!絶対に言わないもん!!!』
『絢…。こいつらに言ったら大変なことになるよね?』
加恋が小さな声で呟いた。
『大丈夫だよ。きっと裕二達が助けてくれる。』
『ちっ。お前らだけでこそこそ話してんじゃねーぞ!!』
悠斗くんは加恋に近づいて行きお腹を殴った。
加恋は顔を歪ませてその場に崩れた。
悠斗くんは怒りを露わにしながら言葉を続けた。
『おい!!裕二達はどこに行った。』
『知らない!!何にも知らない!!!』
『ほほぉ。俺を馬鹿にするのか?』
悠斗くんは笑いながらこちらに来る。
そして私の前に立ち、私の腰を蹴った。
『…うぅっ……。』
そして私は悠斗くんに押されて壁に背中を打った。
『最後にもう一度だけ聞く、裕二達はどこだ?』
『知らな….』
バチンッッッ。
『っ!いっ……たい。』
『っ!絢っ!大丈夫!?』
頬を思いっきり叩かれた。
私はあまりの痛さに泣いてしまった。
『だから…っ私…知らないのに…。
私…なんっにも…しらなっいのに……ひっく…私だってっ裕二達がっ…どこにいるのかっ…知りたいのに…』
ガラガラッッ
バンッッッッ。
『『絢っ!大丈夫か?』』

