好きになっちゃダメですか?



裕二がゆっくりと出て行った。

それから約10分が経つのに戻ってこない。

パタパタッ。

あっ戻ってきたかな?

ガラガラッ。

私は唖然した。

戻ってきたのは裕二ではなく、悠斗くんともう1人の仲間だった。

私は無意識に加恋の方に行った。

加恋は、悠斗くん達を睨んでいた。

悠斗くん達が近づいて来た。

悠斗くんの仲間が加恋の方へ、悠斗くんが私の方へと分かれてやってきた。

なんか、やばそう。

逃げたいのに足が動かない。

悠斗くんがこちらに手を伸ばしてくる。

私はいやっ。と言いながら振り払った。

悠斗くんは距離をジリジリと詰めてくる。

私は足を頑張って動かし少しずつ下がって行く。

でも私の逃げ道はなくなった。

壁と悠斗くんに挟まれる。

悠斗くんは何かをさっきからブツブツ言っている。

裕二…。怖いよぉ…。助けてよぉ…。