「今回はどれにしようかな〜?」
本棚をまじまじ見るカオリ。


「これ何かどう?面白そうだし。」
「それ読んだって!」
知らないよ。


「それよりこれの5巻目探して来て!」
そう言って分厚い小説を差し出した。


「えっ......でも.....。」
こんな広い図書室で一体どうやって...?


「あっそれ、あそこ辺りの棚にあるから!じゃ、よろしく!」
「....もう。」
面倒臭いな。

仕方がなくカオリが指差した辺りの本棚へ向かった。


「えーっと....5巻、5巻、5巻.....。あっ。」
無い....。

どうやら誰かが先に借りて行った様だ。


「しょうがない。カオリに諦めて貰うしかないか。.....きゃ!」
「いてっ!」
振り返って帰ろうとした時に誰かにぶつかった。


「すすすすす、すみません!」
とっさに頭を下げた。