…プルルルル…プルルルル…
3コールも聞かなかった気がする。
出てくれたのは彼の母親。
彼の母親とは毎年バンレンタインを届けているため勿論、会ったことがあるし話したこともある。
彼に変わってもらうといつもの様にニヤけているのが電話越しでも伝わってくる。
「あのさ、いきなりゴメンね…ちょっと待って言うから…待って…待ってね…」
いざとなるとテンパって待ってとしか言えなくなってくる。
彼は珍しく待っててくれていた。
いつもなら「じゃね」と言って通話を切るのに