「今、何時?」

窓の外は暗くなっているみたいだ。

「9時過ぎよ。」

とママが答えてくれた。

試験は午前中で終わったわけだから…
…ずいぶん寝たな。

「遅くなっちゃったし…ママ、今日はもう家に帰ってよ。」

と、私が言うと、

「でも…あやちゃんが心配だし。」

と、やっぱり言われる。

「パパのご飯の支度とかあるでしょ?
私はもう大丈夫だから。
入院もなれてるし。」

「そう?
じゃあ今日は帰るけど、
何かあったら、すぐに先生に言うのよ?
先生に言いづらかったら、ママに電話かけるのよ?」

と言って、
ママは先生に挨拶をして帰っていった。


部屋に残ったのは、
先生と私の二人きり。

うん。気まずい。

進本さん、帰って来ないかなー

帰ってきても、大した戦力にはならないだろうけどさ。


…先生のこの様子からすると、
私が叩いたことを、先生はママに話してないのだろう。