…パシッ!


次の瞬間、私は目の前にいる先生を、
平手打ちしていた。


「!!!
どうせ私はっ…
普通の高校生じゃないですよ…!!!」



「!??」

急に怒って、平手打ちをした私に、
先生は混乱しているようだった。

「ハァ…ハァ…」

思わず興奮してしまったから、
体がびっくりしたらしい。

…苦しい。
息が上手く吸えない。

「彩音さん!?」

先生は、
ハっと気づいて私に声をかける。

「ハァ…」

胸が苦しい。
どうやら発作が起きてしまったようだ。

「彩音さん!しっかりして…」

先生の必死の声が聞こえる。


…あ、これはまずい。

床が目の前に見えて…
視界が暗くなって…
意識が遠のいていく…


医者っていうのも大変だな。

自分を殴るような人間のことも、
患者だからって助けなきゃいけないんだから…

薄れゆく意識をどうにか保ちながら、
私は、そんなことを考えていた。